そぬーは大丈夫なのか

昨日の続き。
久夛良木氏が語るPSP“19,800円”実現の舞台裏という記事がimpressで公開されて、この価格に至った経緯が載っております。
この記事を読むと見えてくるのは「初値を高くして生産効率が上がってコストが下がりペイラインが一定まで下がったところで値下げ」という構造から「最初から最後まで一貫して最低ラインの価格を提示する」構造に持って行きたいということでしょうか。
当初は絶対にありえないと言っていた発売時赤字を容認し、値下げを行わず価格維持して、収益が出るようにペイラインを下げるって今の世の中計画が壮大すぎないかなと。
どうせアメリカの値下げ圧力で値下げせざるを得なくなるんだから、少し上に値段つけて良かったのではないか。
それと、「発売日の流通量は20万台、年内は50万台」「生産キャパシティが全世界で年間300万台」などという発言も気になる。ここまで大胆な価格設定をするには、PS2発売時並みのスタートダッシュが不可欠なのではないか。それに対してこの台数設定、価格設定は現実とかけ離れているようにも見える。年明けでもみんな怒らなかったと思うんだけどなぁ・・・。同発ソフト増えるし。
しかし、半月ぐらい前には既にアメリカで基本セットが199ドルという報道はなされていたわけだし、よくよく考えると\19,800(税別)という価格設定は見え隠れしてたわけで。
それを思うと、ゲームをやってる層(最初に買うマニア層*1)の大部分が「安く感じる」って言う反応を返しているのは広報戦略の成功ではないかとは思った。
最後に、ソニーの決算発表会にて行われた、経営陣の興味深いコメントを引用しておく。

さて、2004年度下半期は、どう見ているのだろうか。 「米国の経済不振、中国の金融引締め、原油価格の高止まりなど、事業環境への懸念がある。下半期の期待は、単価/マーケットともに大きいディスプレイ分野。リアプロテレビ“グランドベガ”シリーズや、自社の最先端技術を搭載したプラズマ/液晶WEGAシリーズに期待したい。昨日戦略的な価格を発表したPSPも、すぐに収益に貢献するというわけではないが、ここにソニーの“勢いと覚悟”をみてもらいたい」(井原氏)

経営陣から「すぐに収益に貢献するというわけではない」と言い切られるPSP。収益に貢献するためには、息の長い商品にならなくてはならない。果たしてそこまでバッテリーが持つだろうか?

*1:ここでは、口コミや話題で後から買う一般層ではなく新商品をわざわざチェックして購入する層のことを指す